老舗大国No.1 社訓にまつわるお話し


老舗大国No.1

社訓にまつわるお話し

 

その①

「老舗企業と家訓の関係」

 

 

 

 


 

 

日本は、世界随一の老舗大国であることをご存知でしょうか?

 

写真は、おなじみの「伊右衛門のお茶」 です。販売元はサントリー。そして、お茶を提供しているのが、京都の老舗、福寿園となります。2011年度に日本JC会頭をつとめられた福井先輩の会社でもあります。

 

福寿園の創業は、1790年。

創業200年をこえる老舗企業でありながら、サントリーさんとのコラボを実現するなど老舗の地位に甘んじず 成長を続けている企業でもあります。

 

日本には創業200年以上の会社が3000社あると言われており、 世界にも希な老舗大国です。これを世界の主要各国と比較するとドイツが2位で800社

アメリカが14社、中国に至っては9社という状況です。

 

その企業群を調べると4割の企業に家訓があり口伝を含めると8割の企業に何らかの価値観の伝承があることがわかりました。

 

福寿園には、「無声呼人」(むせいこじん)という家訓があるそうです。

徳のある人のところには、声をかけなくても人が集まるという意味となり、福井家では、商いはもちろん、「徳」を身に着ける経営を心掛けているそうです。

 

老舗企業の家訓を調べていくと、先祖から続く価値観を継承してきたこと、そして、売った買ったの「商い」以外に、 社会に必要とされる企業像を商売の中に求めてきた様がよくわかります。

 

長く続くのには訳がある。

住友グループ、三井グループ。財閥と言われる企業群もほとんどが江戸時代まで発祥が遡れること、そして素晴らしい家訓をもつ老舗企業でもあります。

 

「徳」の本家である中国では、企業の継承は多くみられません。「徳」の概念のなかでは、商いに発生する「利潤」を差別する意識が高く。これは金利を禁じるイスラムの教えについても、キリスト教社会においても同様の傾向がみられます。

 

ひるがえり日本においては、商いのなかに徳をもとめ、また徳をもとめることで商いがうまくいくものと、正直な経営、正直なお客様とのやりとり、あるいは利益を度外視した奉仕の姿勢、っと世界のなかでは非常識とも思える高い、高い意識が育まれています。

 

教科書には「武士道」が日本人をつくってきたような書かれ方をしますが、ぼくは「商人」の正直さが、国を豊かにし、かつ正直ものの報われる世、天下泰平の様を司ってきたものと確信しています。

 

温故知新。

歴史を知るということは、単純に過去の知識を増やすことでなく、「現在を知る」作業であり、「未来を予測する」知恵でもあります。

 

このページでは、老舗企業に残る金言を随時紹介させていただきます。

 

どんな老舗企業も、最初は、父ちゃん母ちゃんが始めた商店でありベンチャーでした。

企業にとっての目指すべき目標(ビジョン)。そして経験の中で培った経験を次代にひきつぐもの、それが家訓です。

 

企業の大小、そして若さ古さにかかわらず、家訓づくり、社訓づくりにぜひ挑戦ください。

詳しくはWebで!っていうか、このホームページで(><)



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社訓にまつわるお話し

 

その②

「老舗企業ランキング」

  

 画像は、茨城県土浦市の柴沼醤油さまです。

 

土浦は、醤油の関東三大醸造地として知られ、柴沼醤油は、創業が元禄

元年。300年をこえる老舗企業です

 

あなたの街にも、古い企業はありませんか?

 

日本は世界一の老舗大国です。世界には創業200年をこえる会社が5000社あると言われる中、日本には6割をこえる3000社が存在しています。

 

ここで、老舗企業ランキングを紹介させていただきます^^ ちなみにこのランキングの7位までは、そのまま世界中での老舗ランキングとイコールです。老舗オリンピックでは、金・銀・銅の独占しています<(`^´)>

 

■老舗企業ランキング

 

1位 金剛組    578年 建築業

2位 池坊華道会  589年 生け花

3位 慶雲館    705年 温泉旅館(山梨)

4位 古まん    717年 温泉旅館(兵庫)

5位 善吾楼    718年 温泉旅館(石川)

・・

10位須藤本家   1141年 清酒製造(茨城)

 

■上場企業ランキング

 

1位 松井建設   1586年 建設業   696億

2位 住友鉱山   1590年 鉱山開発  7230億

3位 養命酒    1602年 酒類製造  160億

4位 松坂屋    1611年 百貨店

5位 丸栄     1615年 百貨店

6位 小津産業   1653年 製紙業   103億

7位 大木     1658年 製薬    1650億

8位 ユアサ商事  1666年 建材卸   5300億

9位 三井不動産  1673年 不動産   4900億

10位三越     1673年 百貨店

 

単に古いだけでなく、今も大きな経済活動を続けている会社も多いのも特徴で、一例をあげれば、ゼネコン大手の竹中工務店は、1610年の創業にして、年商は1兆4000億、従業員は1万2000人をこえています。

 

豊臣家がほろんだ大阪夏の陣が1614年。そして徳川家さえも、280年で天下を明け渡す中、400年に渡り商いを続ける竹中工務店の歴史は、もう1つの大河ドラマなのではないでしょうか?

 

竹中工務店をはじめ、多くの老舗企業には、戒めを記した「家訓」が存在しています。口伝を含めれば8割の企業に家訓があるそうです。

 

老舗企業の中でも世界一の古さを誇るのが、金剛組です。578年、四天王寺建立のため聖徳太子によって百済より招かれた宮大工により創業。法隆寺建立の他、日本における宮大工の草分けとして、現代でも多くの神社仏閣の修理、再建をてがけています。

 

この金剛組の家訓は、こちらです

 

・お寺お宮の仕事を一生懸命やれ

・大酒はつつしめ

・身分にすぎたことをするな

・人のためになることをせよ

 

実は、金剛組は昭和に入り多角化をすすめ、中堅の建設会社となったものの、その後の不況で倒産し会社更生法の適用をうけています。家訓にある神社仏閣の仕事をおろそかにしたせいとも言えるし、身分にすぎたことをしたせいかもしれません。

 

企業の寿命は30年と言われるなか、日本が誇る古い企業群は、世界に誇る宝です。それは、儲けだけでなく、祖先からの戒めを家訓として引き継ぎ、社会貢献をしてきた証拠でもあります。

 

貴族が支配した麻呂の時代から、ちょんまげ、文明開化に、サラリーマン。激変する社会構造の中、商いを通じ、絶えず社会に必要とされてきたって、すごいことだと思いませんか?

 

「人のためになることをせよ」=「社会から必要とされる存在」

 

日本は、老舗企業が多いだけでなく、世界一安全で、世界一豊かな国です。

 

それは、役所や、お侍さんでなく、名もなき商売人の一人ひとりが、切磋琢磨し、「ひとのためにする」競争が社会に空前の豊かさをもたらしたのです。

 

家訓ニストが経営する興醸社は、創業64年。醤油製造の時代から数えると100年を超える企業体です。

商売人として売上をあげるのはもちろん、ひとのために貢献することで、200年、300年と続く老舗企業に成長することを約束します^^

 

めざせ、未来の老舗企業!

家訓づくりだけでなく、社訓づくりのカスマイズもしています。

開催ご希望の方は、メールにてお問い合わせください


 



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社訓にまつわるお話し

 

その③

「老舗にみる

    祐徳の企業経営」

  

 

 

 

お金、好きですか?

ぼくは大好きです(^_^;)

 

でもお金と仲良くなりたいのに、お金は、ぼくに振り向いてくれません・・・

 

追えば逃げるのは、犬も恋も、お金も同じこと

お金と仲良くするためには、金儲けだけでなく、社会に必要とされることが求められます。

 

 

【経済】の語源をご存知でしょうか?

 

経世済民。

世を経(おさ)め、民を済(すく)うっという意味になります。

 

「民を救う」と聞くと、ボランティアや奉仕活動を思い浮かべますが、【経済】こそが、民を救い、心もお財布も豊かにしていくものだと家訓ニストは考えます。

 

 

画像は、二宮尊徳の像です。あなたの通った小学校にも、ひっそりとたたずんでいたのではないでしょうか?二宮尊徳は、江戸時代に活躍した儒学者で、【経世済民】を実践した偉人です。


では、どうやって【経世済民】したのか?

その偉業を家訓ニストが紹介します。

 

江戸時代は、武士階級を中心に儒教が盛んに勉強される一方、儒学の毒といわれた男尊女卑や、経済の軽視など目に見えない副作用がたくさんあった時代です。

 

そんな時代に、二宮尊徳はこんな言葉(意訳)をのこしています

「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」っと

 

尊徳先生は、「知行合一」(知識と行動が一致する様)を実践し、農村であっても現金収入をえる手立てを構築し、農民、藩士に道徳と、それにもとずいた地域づくりを行い、疲弊しきった農村を復興し、心の豊かさと、経済的な豊かさをもたらした奇跡の人です。

 

その才能は、出身地である小田原をはじめ、多くの地域から乞われ、とくに栃木県では、その偉業を表し、いまも地名として二宮市が存在しています

 

当時の金言の数々は、今の時代にも十分に通用するものであり、日本における道徳の実践者としては並ぶもののいない存在であると家訓ニストは考えます


現代でも、企業の社会貢献活動をCSRと評し、盛んに活動していますが、どこか空虚に感じます。

 

たとえば、イオンはCSRとして森をつくる活動しています。これは立派なことです。しかし一方では、安値な商品をもとめメーカーに強力なコストダウンを迫ります。コストが迫られた会社はどうするか?従業員さんに負担をかけるパターン。あるいは環境を破壊してまでコストを重視してしまうことを誘発しているのではないでしょうか?

 

こんなCSRは【経世済民】ではありません。

二宮先生の言葉を借りれば、道徳なき経済は、犯罪なのです。

 

おなじように、徳を語る評論家が、講演をしたり、テレビでコメントをよせたりしています。これも空虚に感じます。

 

そんな道徳は、【経世経済】ではありません。

二宮先生は、経済なき道徳は、寝言であると言いました。

 

 

江戸時代、実践で民を救った二宮先生ですが、その精神は寝言でなく、経済活動を通じ、社会に、「道徳」をもたらしています。

二宮尊徳は、実学だけでなく多くの弟子をとり、教育をさずけています。そんな弟子の一人が、ある偉大な企業家を誕生させました。それが、トヨタグループの創始者・豊田佐吉です。

 

豊田佐吉の父、伊吉は大工職人です。経済的にも厳しい中、志たかく、二宮尊徳の弟子の一人に師事し、その教えは、伊吉を通じ息子の佐吉に、もたらされました。

 

尊徳の価値観は、トヨタグループの企業理念(家訓)として色濃く反映されています。


一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし

一、研究と創造に心を致し、常に時流運異先んずべし

一、華美を戒め、質実剛健たれ

一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし

一、神仏を崇拝し、報恩感謝の生活を為すべし

 


世界を席捲するトヨタの歩み、そしてトヨタが作り出す自動車を通じて、二宮尊徳の「道徳」 が世界に人々の暮らしをささえ、豊かにしていることは、まさに、【経世済民】の実践例です。

 

アメリカ生まれの自動車。鉄もガソリンもない日本。

その日本でつくる自動車が、世界で一番の評価をうける理由を皆さん考えてみてください

 

性能がいい、安心してのれる、中古車が高く売れる・・・

 

では、なぜ性能がいいのか?

そこには、従業員さんのたゆまぬ努力があり、その背景には、給料をもらう以上に、真摯に仕事にむきあい。さらに仕事を通じて社会貢献をも担う、名もなき庶民の歴史があります。これが、「経済」です。そして「道徳」です


日本の資源は、ひと。そしてそれを担う教育こそが「経済」の本質なのかもしれません

 

改めて、二宮先生の言葉を記します。

「道徳なき経済は、犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。」

 

豊田佐吉から始まったトヨタの【経世済民】は、創業者なきあとも、家訓を通じ日本に、世界に徳溢れる従業員を生み出しています。 そして、その徳性は、年商23兆円、利益2兆円をたたき出しているのです。

 

二宮尊徳から、世界のトヨタへ・・・

年商の多さとは、それだけ社会に必要とされた結果です。

必要とされる会社には、気難しいお金さんが、じゃんじゃん自分からやってくる。それも、【経世済民】のもう1つの顔です。

 

経済なき道徳は寝言である。

二宮尊徳の道徳は、トヨタを通じ、いま世界に羽ばたいています。

 

家訓の説く「徳」も、ひろげなければただの寝言。


家訓二ストも、いつか世界で羽ばたくために、二宮先生の言葉を深く刻み、【経世済民】。家訓はもちろん、商いを通じ、社会に必要とされる存在になり、結果、金もちになりたいです<(`^´)> 

 

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社訓にまつわるお話し

 

その⑤

「コーポレートポリシー

   つまり社訓のお話し」

 


家庭のナカに「軸」をつくることを提唱する家訓づくりの運動。

これは、家庭にかぎらず、会社でも同じことがいえます。

 

家訓、社訓というと、老舗企業に限られてきそうですが、「いま」成長している会社にも、「企業理念」「コーポレートなにがし」という形で、必ず「軸」は存在しています。

 

ものごとには、行動<目標<目的。この3段階が存在しています。

JCでは、これを視覚的にとらえる訓練の手法を「ビジュアルフューチャー」と呼び 各地でセミナーを順次開催しています。

 

家訓をプロットしてこれを表現すると・・・

 

会社名:福寿園

商 売:お茶屋さん

家 訓:「無声呼人」(徳がある人のところには、呼ばれなくて人が集う)

 

目 的:徳をつむ

目 標:呼ばれなくて人が集う

行 動:上記を達成する様々な手段

 

上記のようになります。

具体的には、伊右衛門ブランドでのサントリーさんとのコラボについても、

「無声呼人」。長年築き上げてきた、「ブランド」にまつわる「徳」が、全国津々浦々で、呼ばれなくてもお客様を招いている!っと言えるでしょう。

 

写真は、タリーズのロゴ。昨年、朝霞青年会議所さまの記念事業で、創業者の松田さまのお話を伺う機会をいただきました。借金をして立ち上げた1店舗目の開業にあわせ、1店舗しかないのに、「経営理念」(社訓)をつくった経緯と背景は、素晴らしいものでした・・・

 

タリーズ経営理念:

「一杯のコーヒーを通じ、お客様、フェロー(従業員)、社会の新しい価値の創造し、共に成長する」

 

これを分析すると

目 的:社会の新しい価値の創造

目 標:共に成長する

行 動:コーヒーを通じ

 

う~ん。素晴らしい!

 

結局、コーヒーを売るだけなのですが、ビジョンがしっかりしていると、

お客様に提供すべきサービスや、店内の環境。1つ1つの経営サイドの選択がピタリっとはまって見えてきます。

仮定として、「おいしいコーヒーを提供する」ことが目的であれば、店内にタバコを吸うスペースをつくる選択はしないと思うし、「コーヒーを通じ」とすることで、提供しているものが、お店の雰囲気だとか、いろいろなファクターが見えてきます。

 

会社のナカに、軸があること。そしてそれを社員全員が理解できている会社は間違いなく強い!それは「伸びる」という結果につながっていると思います。

 

ビジュアルフューチャーの勉強をはじめて、僕自身、考え方がすっきりしてきました。

そして、目的をもつことの大切さを改めて、気づかされております

 

家訓は、家族のためだけにあらず。従業員が家族であれば、オヤジは子供(従業員さん)を迷わせてはいけません!

横文字でも、社訓でもいい。子どもは親の背中をみて育つもの。オヤジ(社長)の背中をみせてください。

  

 


老舗大国No.1

社訓にまつわるお話し

 

その⑤

「経営の神様と

    社訓のお話し」

  

 

 

 


松下電器綱領:

産業人たるの本分に徹し 社会生活の改善と向上をはかり

世界文化の進展に寄興せんことを期す

 

松下幸之助は、パナソニック(旧社名:松下電器産業、松下電器製作所、松下電気器具製作所)を一代で築き上げた日本屈指の経営者で、経営の神様とも称された。PHP研究所を設立して倫理教育に乗り出す一方、晩年は松下政経塾を立ち上げ政治家の育成にも意を注いだ。政経塾からは、2011年 野田総理が誕生している。

松下氏は、社員に対し、「松下電器は何をつくっている会社か」と尋ねられたら、「人をつくるところでございます。あわせて電気製品をつくっています」と申しおくっていたとの逸話は有名。

 

ほかにも、「水道哲学」を打ち出し、幸之助曰く、

「われわれ産業人の使命も、水道の水のように物資を無尽蔵たらしめ、いかに貴重なものでも量を多く生産し、無代に等しい価格で世間に提供することである。これによって貧乏を追放し、人々に幸福をもたらし、この世に浄土を建設する、これが松下電器(後にパナソニックに改称)の真の使命である」。

 

文句なしに、松下さん偉い!そして綱領(社訓)も、素晴らしい。

問題は、松下さんの死去(1989年)以降の松下電器の歩みがどうなったか?という視点で、家訓二ストなりの考察をしてみます。

 

偉大なる創業者の死というのもは、どの会社にも起こります。

問題は、引き継ぐものは、売上なのか?想いなのか?という課題です。

 

「事業」を引き継ぐ経営者は多くても、「哲学」を引き継げない後継者が多いのではないのでしょうか?

古くから日本の老舗企業では、事業継承のリスクを減らすため、「社訓」というツールが 用いられています。これは、昭和、平成になっても同じことが言えそうです

 

大きな売り上げがあると、その売り上げを守ることは当然のこと・・・と思いがちです。

しかし、「常識」と思われる選択の中にこそ、創業者なきあとの迷路がまっています。松下幸之助さんは、「世界文化の寄興」を目的とし、その手法として、電器を使っているにすぎません。売り上げ至上主義には、哲学はありません

 

幸之助の死後、パナソニックがとった施策はまさに哲学なき迷走に落ち込んでいきます。そして近年、経営危機の報道にまで至りました。後継の経営者達が、「常識」と思われた判断がことどとく失敗した悲劇なのです。

 

では、パナソニックは、何に帰るべきなのか?

やはりそこは、哲学があり、綱領であるべきです。

 

そのために、今一度、松下幸之助が打ち立てた綱領に戻る必要があるのではないでしょうか?

 

ここで、生前の業績をたたえながら、綱領の分析をします。

 

戦後、松下幸之助は、GHQから公職追放の憂き目にあいます。この時、労働組合から追放取り下げの嘆願がでて、外人さん達は驚くことになります。内部留保をとりくずし社員の雇用を守ってきた事実も公になり、嘆願は認められ幸之助は、実業界の第一線に復帰することになりました。

松下電器は、綱領にあるとおり、社会貢献を第一義に、そのためにも社員の人としての在り方を訴求する会社でした

「松下は、人間をつくる会社です。あわせて電気製品もつくっています。」

社員にそういわせるよう指示したとの逸話も残っています。

 

では、創業者の死後、会社は何をしたのか?

まず、ブランド名の統一。松下電器、ナショナル、パナソニックを、パナソニックに統一され社名も変更されました。この案件は、幸之助が大反対であったと言われています。ブランド統一でもたらされる「利」は、効率。そもそも、水道哲学に、ブランドという概念が似合いません。

じゃんじゃん作って、じゃんじゃん売れば、結果みんなが幸せになる(幡谷意訳)という哲学に、ブランドイメージとかは、邪魔でしょう^^ そしてこの手法を韓国勢がとりいれ、飛ぶ鳥を落としまくっているあたりも、時代の皮肉です。

 

そして業績悪化にともない、人間をつくる会社は、派遣ぎり、リストラっという選択をしていきます。苦しい時代にこそ、綱領をまもる姿勢がほしかった・・・ 

その他にも、テレビのナショナル劇場の廃止というのもありました、おじいちゃん、おばあちゃんのバイブル「水戸黄門」の放映がなくなったのも、一連のリストラの影響でした。・・・幸之助さん、怒っているだろうな^^;

 

生前、最後の仕事として社会変革には、政治をかえる必要を感じ、70億という私財をとうじ松下政経塾をたちあげました。野田総理をはじめ、与野党ともに政経塾出身の政治家達は確かに時代をつくりはじめています。

松下幸之助がご存命として、「今」なにを選択するのか?気になります^^

 

たとえ、失敗しても一から同じ会社をつくってやる!という気概が、創業者にはあります。つまり、売上なんて屁とも思っていない。そして無くなっても、最初に戻るだけだと「博打」(思い切った手段)を打てるのも、創業者の特徴です。

引き継いだ経営者は、これができない。実は、幡谷もそんなひよっ子経営者の一人です

 

今回のブログを書くにあたり、ネットサーフィンをしていると、戦前、幸之助が超高額のラジオの特許を買い取り、それを公開したことで、ラジオの価格低下が加速され、一気に普及。結果、国民に娯楽の時間をもたらしたことを勉強させていただきました。

 

時代の荒波に、松下幸之助は何をみるのか?

家訓プログラムの特許をかいとり、ひろく国民に・・・

 

家訓二スト綱領:

家訓二ストたるの本分に徹し 社会生活の改善と向上をはかり

世界文化の進展に寄興せんことを期す

 

幸之助にはなれずとも せめてなりたや ノーベル賞

 

以上、めざすべき道を確認できた家訓二ストでした。

 


 

老舗大国No.1

社訓にまつわるお話し

 

その⑥

「豊田佐吉と

    社訓のお話し」

  

国民栄誉賞という賞があります。王貞治さんをはじめ、国民にとってのヒーローが受賞されてきました。

しかし、家訓ニストの考える日本のヒーローは、一番納税した人、あるいはたくさんの雇用を生み出してきた方に栄誉賞を贈るべきだと考えます


ということで、はえある勝手に国民栄誉賞は、トヨタグループを率いる豊田家に贈りたいとおもいます^^


そして、今回のブログでは、トヨタグループの創始者・豊田佐吉さんの遺された家訓(綱領)を紹介させていただきます。

 

一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし

一、研究と創造に心を致し、常に時流運異先んずべし

一、華美を戒め、質実剛健たれ

一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし

一、神仏を崇拝し、報恩感謝の生活を為すべし

 

佐吉さんは、大工の息子という決して豊かとはいえない環境のなか、「発明で世の中の役に立ちたい」と志をたて、自動織機の発明し、以後、一族は、自動車製造にも挑戦し、今では販売台数世界一の企業グループになりました。ちょっと前まえチョンマゲを結っていた極東の島国が、織物で世界を驚かし、そして戦争にまけ国土は焼土とかしたのに、アレヨアレヨと、アメリカさんを超す自動車大国になってしまいました・・・


しかし、なんで世界一の自動車メーカーがこの島国日本から誕生することになったのでしょう?

そもそも、トヨタをはじめ、なぜ日本の製品は売れるのでしょう?

 

さて、皆様の答えは何でしょうか?

「技術がしっかりしているから」「サポートがいい」。あるいは、「思いやりを込めて作っているから」・・・たぶんすべてが正解です。

 

では、2つの目の質問です。

何故、技術がいいのか? サポートがいいのか? あるいは思いやりを込めて作ることができるのでしょう?

 

「んっ・・・」(-_-;)

 

当たり前のことは、当たりまえすぎて、気づかないもの。

 

家訓ニストが考える答えは、日本には、石油も、鉄もないが、【日本人】がいる!のです。

日本の資源は、鉱物資源でなく、【ひと】なのです!

 

当たり前すぎて、気づかない日本人の特性をここで列挙してみます。

 

・まじめ

・時間をまもる

・協調性がある

・がまんつよい

・礼儀ただしい

 

こんな感じかな?では、上の項目はどうやって培ってきたのか?そこに家訓ニストの求める答えがあります。

その答えは、家庭内での教育。とくに躾(しつけ)から由来しているのではないでしょうか?

 

家訓づくりプログラムで作られる創作家訓では、「ヒトに迷惑をかけない」そんな家訓を選ばれる方が多くいました。


「ひとに迷惑をかけない」って、すごい道徳心だと思いませんか?

Aさんを、あるいはBさんに迷惑をかけない!のではなく、すれ違うだけのひと、あるいは一生、顔もあわせない第三者のために、気を配れるっというのが日本人の誇るべき道徳心なのです。

 

この恐るべき特性を活かすことで、日本で組み立てられる車は、他に類をみない最高品質の商品に仕上がっていきます。これは、自動車製造の際、1万をこえる部品の1つ1つが、「ひとに迷惑をかけない」部品であり、この真心をこめた部品が1万個たばねられて、1つの作品(自動車)として、組み立てられていると家訓二ストは考えます。

 

ここで、ネジをつくる下請さんがいたとして、どんな工程で製造されるのか?考察しながら考えていきましょう。

 

ネジ1つ、1個1円と仮定します。鉄をとかします。型にいれます。ネジの形にします。以上で終了です(*_*)

 

しかし、それで終わったのでは、ただのネジで終わりです。たかがネジ、されどネジ。日本の職人さんは、使う人のことを考え、形への工夫や使いやすさ、なにより頑丈さを研究しています。日本以外の国では、ネジはネジ。1円以上のコストをかけることは絶対にしません。しかし、日本では創意工夫こそが、美徳であり、ひとに迷惑をかけない”こだわり”が、ネジ1つ部品1つに詰まっているのです。

 

神は細部に宿る・・・八百万(やおよろず)の神々は、森や風、岩にだけいるのでなく、お米や、ネジ、ひいては、自動車にまでぎっしり詰まっています(^^ゞ

そして、世界の人々は日本の自動車の優秀さをしり、ちょっと高くても、日本車を買ってくださいます。

嘘のような話ですが、ちょっとした思いやりが製品になり、その製品を評価する世界中の消費者が、ちょっと高く購入してくださることで、日本の貿易黒字は増え、結果、今の生活を保障しているのです。

 

善意が軸となる社会って、すごいことだと思います。

ずるい人がはびこる世界は、悪いことをするのが得だから、だから犯罪がふえ負の連鎖がつづきます。しかし日本は、正の循環があります。お客様は神様です!の名のとおり、正直に商売をすること、あるいは、自動車のように真心をこめ製造することで、いい暮らしができるのです。


つまり、いい人が勝つ社会。なので人々はいい暮らしをするために、より丁寧に、より親切に日々の生活をつむぐのです。

 

ひとに迷惑をかけない国、日本。

肉食系ばかりの西欧列強の中では、ひ弱すぎて太刀打ちできないようにも思えます。しかし、結果は、人口1億人の島国が世界2位の経済大国です。なおかつ、治安はよく、医療は整い、平均寿命は1位を保っています。


日本、すごい(^_^)/

そしてそんな日本だからこそできるものづくりが評価され、世界中でメイド・イン・ジャパンがトップブランドとして君臨している事実は、誇るべき奇跡です。

   

そして、グルーバル化がすすみ、日本車は、日本人が作らなくて日本車であることに気づいているでしょうか?

世界中にはりめぐされた製造拠点では、その国々の労働者を招き入れ自動車製造を手掛けています。

これは、日本で作らない日本車でも、クオリティーを保つため、工場で働く従業員さんに、勤勉さや、ものづくりへの探求心を、社員教育を通じて「伝えて」いるからなのです。


日本は、自動車を売っているのではない、教育を通じ、「道徳」を売る国に進化していたのです。

 

トヨタグループの創始者 豊田佐吉も信奉した二宮尊徳先生は、こんな言葉を遺しています。

「道徳なき経済は、犯罪であり 経済なき道徳は寝言である」

 

 

日本の資源は、石油や鉄でなく、ひと。

そして、そんな【ひと】を育む教育が、日本を日本として足らしめています。

であるならば、日本をおびやかすものはテポドンではなく【教育】です。

とくに、家庭内での教育に一番の課題があるのではないでしょうか?

 

質問:なぜ日本の車が売れるのか? 

答え:それは、道徳心に満たされた、善良な市民がつくる車だから

 

質問:ではそんな市民をつくってきた源って、なんでしょう?

答え:口すっぱく怒るオカンのガミガミ。ちょっとかっこよくいうと、家訓です。

 

日本の車がなぜ売れるのか?当たり前のように感じることだからこそ、そこに大切なことがたくさん詰まっていました。この場合の日本、あるいは日本人とは、国籍も、民族も関係なく、ひたむきな努力と、ひとに迷惑をかけない素朴な「道徳心」を守る素敵な人たちと定義します。

争いの絶えないこのバカげた世界に、日本人の素朴なやさしさで満たされる時、真の世界平和が訪れることを家訓ニストは確信しています。そんな日本をつくるもの・・・それが家訓づくりプログラムです!

 

あらためて、日本人の誇りを育成し、世界平和を実現させる!セミナーの開催依頼をお待ちしています^^ 

  


老舗大国No.1

社訓にまつわるお話し

 

その⑥

「社訓づくりセミナー

       について

  

 

 

 


 


 


平成25年9月5日 水戸JC 会員拡大研修委員会主催の、異業種交流会を企画し、その席で社訓づくりのセミナーを開催させていただきました

 

家訓は、家族のもの。作成された家訓は、徳を育み、家族の健やかな成長を見守ります。

社訓は、会社のもの。作成された社訓は、企業の軸となり、同じく成長を見守ります。

 

創業200年を超える老舗企業が、世界一多い日本。その老舗企業の8割に社訓があるといわれています。また、成長著しい創業まもない新興企業にも、コーポレートなにがしっという名前で、軸が提示されているケースが多々あります。伸びる企業、続く企業には、「理由」があります。そして、その理由には、しっかりとした背景があります。

 

あなたの会社の目的はなんですか?

その目的をつくるものが、この社訓セミナーになります^^

 

「目標」というと、売上110%など比較的スラスラ、出てくるものです。

では「目的は?」というと中々難しい(><)

 

この日は、「家訓づくりプログラム」をアレンジしまくり「社訓づくり」セミナーに衣替えし実施させていただきました。また、【異業種交流会】という名のとおり、セミナーを通じて、水戸に集う様々な職種の皆様の交流を図る機会にも活用しました。

 

 

社訓づくりをしていただくために、今回は、2つのスタイルを採用しました


1つは、家訓二ストが発見した伸びる企業の「黄金則」

もう1つは、JCメンバーにはおなじみの「議案書」を改良したシートを採用しました

 

まずは、「黄金則」を紹介させていただきます。


【○○】を通じて、【△△】し、【××】を目的とします

 

この黄金則をつかった社訓の実践例を紹介します

■タリーズコーヒー

一杯のコーヒーを通じ、お客様、フェロー(従業員)、社会に新しい価値を創造し、共に成長することを目的とします

 

■トヨタ自動車

ものづくりを通して、人・社会・地球環境の調和を図り、持続可能な社会の実現を目指します

 

■松下電器(現・パナソニック)

生産・販売活動を通じて、社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与することを使命とする

 

いずれの企業でもこの黄金則が出現しています^^

【○○】を通じて、【△△】し、【××】を目的とします

 

当日のセミナーでも、このフォームに従いたくさんの社訓をつくっていただきました。

ためしに旭運輸 土子社長の社訓をこのフォームに従って、勝手に制作してみます^^

【農産物の流通】を通じ、【生産者・消費者・社会が共に成長】し、【食卓に笑顔をつくる】ことを目的とします。

う~ん、決まった!

 

そして、制作された「社訓」を活用いただくために、用意した2つ目の矢が、事業計画(画像あり)の制作になります。

JCの事業では、議案書というものを制作し、例会や事業が、目的に合致しているか? たくさんの議論を重ねます。「背景」「目的」「予算」。そして事業計画をわかりやすくまとめた書類が、議案書です。

 

この議案書のエッセンスを、商売におきかえたものが、今回制作した事業計画です。

再び、世界の土子様に登場いただき、議案書形式で、土子コンツェルンの事業計画を練ってみたいと思います

 

【背景】

食事の重要性は、単に栄養の補給という観点にとどまらず、人間のコミュニケーションの原点といえます。とくに食の安全が懸念されるなか、新鮮な食材を産地から、消費地へ届ける必要があります

 

【目的】

農産物の流通を通じ、生産者、消費者、社会がともに成長し、食卓に笑顔をつくることを目的とします

 

【事業計画】

茨城県産の野菜を、安心、安全のまま、全国各地に販売します

そして、新たなネットワークを構築し、生産者の顔のみえる販売をてがけ

また  地野菜を味わえるアンテナショップを展開し

さらに ブランド力を高めることで、野菜帝国土子コンツェルンによる

    世界征服を実現します

 

う~んいい出来だ^^

企業の経営者にとどまらず、サラリーマンであっても、働く意味。そして自身の中長期的なビジョンの設定は、たくさんのポジティブな変化をもたらします

 

目的(社訓)をつくり、それを実現するフローをたえず意識すること。

家訓二ストも、今回のカスタマイズは、ノーベル平和賞受賞のためにかかせないフローでした。

 

まだまだ改良の余地はありますが、社訓づくり、ありやね^^

異業種交流会は、拡大の鬼として知られる小田原JCの上田先輩の企画を大胆にパクってみました。そして、ただ名刺交換をしても「交流」にはならないな・・・っと、今回、「社訓づくり」をマッチングさせてみたというのが真相です^^;

 

おかげさまでご参加いただいた入会候補者の皆様、そして水戸JCが誇る多様なOBOGの皆様にも好評のうちに、社訓づくりと、異業種交流を実現することができました^^

 

交流とは、交わり流れるもの、そして社訓とは、流れる日常のなかで、忘れてはいけない確かなものを築くこと

 

家訓二ストの気まぐれ異業種 社訓風。

多くの皆様のオーダーをお待ちしています^^


 


老舗大国No.1

社訓にまつわる

お話し

 

 

 

 

その⑦

「創業者の心を取り戻したSHARPのお話し

 


タバコが苦手な家訓ニストは、プラズマクラスター付きの空気清浄器を愛用しています。その他にも、太陽光パネル、コピー機、パソコンなどSHARPの商品はキラリとひかるものが多い気がします。日本に数多くある家電メーカーの中で、シャープは時代のちょっと先をいく商品を展開してきた歴史があります。今では当たり前になった薄型テレビの成功は、最も顕著な例なのではないでしょうか?

 

数年前、経営危機により、身売り話まで出たシャープが5月12日発表した2014年3月期連結決算は、最終損益が115億円と3年ぶりに黒字転換しました。前々期(13年3月期)は5453億円の最終赤字だったが、1年で5568億円も改善したのです!

 

業績をV字回復させた高橋社長は、これまでのSHARPを、「業容が順調に拡大するにあたり、我が社は創業の精神を忘れ、おごり、高ぶり、チャレンジ精神の低下、顧客志向の欠如と言った、いわゆる大企業病に陥った」と語っています

 

今回のブログでは、目の付け所をシャープに、日本をけん引してきた大企業が陥った危機とその復活の物語を創業者の足跡からさかのぼり研究してみたいと思います。

 

創業者は、早川徳次(はやかわ・とくじ) 1893年~1980年(明治26年~昭和55年)。東京・日本橋生まれ。二歳の時に養子に出され貧困の中で育ちました。尋常小学校を2年生で中退し、若干8歳にして丁稚奉公に出て以降、飛躍のチャンスをつかむため自らの研鑽につとめた。のちに、かざり職人として独立。大正4年、繰り出し鉛筆シャープペンシルを発明。関東大震災で全てを失うも、大正13年大阪で早川金属工業研究所を設立して社長に就任。昭和17年、早川電機工業に社名変更。しかし第二次世界大戦を境に再びゼロからスタートに・・・しかし、社員と共に、多くのヒット商品を世に送り出し、今に続く社業の礎をつくった。昭和45年シャープに社名変更し会長。昭和51年、勲二等瑞宝章。86歳で没。著書に「私と事業」があります。

シャープという社名は、シャープペンシルから来ているんですね(^^ゞ 


小学校2年生で中退というのもすごいし、関東大震災、第二次世界大戦っと、軌道に乗りかけた社業が、一瞬にしてゼロになる憂き目を何度となく味わったのが早川さんの半生です。
早川徳次は、このシャーペンだけでなく、生涯の間に多くの発明品を残しました。創業者の精神は引き継がれ「他社に真似されるものをつくれ!」という号令のもと、現在でもキラリと光る商品を世に送り出しています。

 

しかし、前述のとおり、シャープは、数年前に倒産状態に陥りました。

では、震災も戦争も切り抜けたシャープが崖っぷちまで追い込まれた理由は何でしょうか? ここで、創業者・早川さんの言葉と経営陣のとった施策を並べ考察してみます。

 

■創業者:

経営理念

「いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術をもって、広く世界の文化と福祉の向上に貢献する…」

 

経営信条

「二意専心 誠意と創意 この二意に溢れる仕事こそ、人々に心からの満足と喜びをもたらし真に社会への貢献となる。(中略)勇気は生き甲斐(がい)の源なり、進んで取り組め困難に」という言葉を遺した。

 

■旧経営陣 :

薄型テレビで市場を席巻したのち、さらに超大型の投資をしたものの価格競争に巻き込まれ丸損(-_-;)

 

つまり、「いたずら」に規模の拡大をおった事が取り戻せない失敗となってしまいました。これは、「質」を求めてきたシャープの歴史の中で、「量」をおったが故の失策です。

本当に怖いものは、地震でも戦争でなく、大企業病に冒された「ひと」であるようです(*_*)

 

 

創業以来の未曾有の危機のなか、社長に就任した高橋社長は、

「全部、正しい。素晴らしい創業の精神があったのに・・・」と唇をかみ、理念と信条の書かれたカードを報道陣にみせ、再スタートを切るために、早川翁の言葉として、従業員に配り人心一新を図りました。
 

シャープが陥った大企業病とは、主に大企業で見られる非効率的な企業体質のことです。症状としては例えば、頻繁な会議や、決定までに時間のかかる根回し、企業や顧客の利益よりも組織図の管理を重視する姿勢などがあげられます。

 

あれ? そんな組織、あなたの周りにありませんか!

書類づくり追われて、挑戦もせず、他人事のように愚痴をこぼしているのだったら、今こそ悔い改める時です。

・・JCも大企業病なのかな(*_*)
 

シャープでは、創業者の他界後、相談役、会長、社長という「3頭政治」に陥り、社内でも誰が意思決定しているか分からない状況に陥っていたといわれています。その中でもシャープの役員、中でも経営トップ層が腐っていたと・・・

そんなズブズブの状態のなか、世界の亀山モデルと賞賛された液晶画面の主力工場が、過剰な投資となっていき、引き際をつくれず、結果、経営危機になったのでした。

 

おなじく日産自動車の経営危機を立て直したカルロス・ゴーンは著作の中で、ルノーから日産に派遣されたとき、社内の食堂で日産の幹部の一人がゴーンに箸の使い方を教えながらたんたんと「日産の社員は危機感がないんだよ」と言うのを聞いて驚いた、と書いています。言っている当人がまるで日産の危機を他人事のように語っていたからです。 

 

地獄への道は善意の石で出来ている・・・

 

愚かな経営者だったとしても、会社を損させようと頑張った訳ではありません。良かれ、良かれっと判断していった結果が、失敗してしまったのです。これが「善意の石」です。そして、図らずも失敗した場合、「責任」が生まれます。失敗した事実を隠すため、損きりができず、より大きな過ちをおかす・・・ それが、「地獄への道」なのです。 

 

組織の中では、挑戦者の足をひっぱり、様子見を決め込む人も多くなることがあります。挑戦して失敗すると責任が発生します。だから挑戦しない・・・そんな会社ではイノベーションは生まれません。もっとひどいのは、成功されると、自分たちのポジションが危うくなるので、成功しないように根回しをする・・・ そんな組織に未来はないのは当たり前。しかし、日本という村社会では、挑戦者に厳しい空気を作っていないでしょうか?

 

改めて創業者の早川さんの、理念・信条を紹介させていただきます。

「いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術をもって、広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」

さらに経営信条は

「二意専心 誠意と創意 この二意に溢れる仕事こそ、人々に心からの満足と喜びをもたらし真に社会への貢献となる。(中略)勇気は生き甲斐(がい)の源なり、進んで取り組め困難に」

 

誠意と創意に立ち戻った高橋社長が率いるSHARPは、業績回復と共に、創業者の魂を取り戻しました。

そしてここからが、第二の創業として、目の付け所がシャープでしょ?っと早川さんに報告できる、アッとおどろく商品を世の中に送り出してくれることでしょう^^

 

大企業病は、大企業に関わらず弊社のような零細企業にも当てはまります。10人しかいない弊社であっても、社長(わたし)と会長(おやじ)の意見がバラバラだったり、なんとなく誰かがやってくれるだろう・・・と問題を先送りしたりっと(-_-;) 

誰のための会社なのか?何のために働くのか? 経営理念、あるいは社訓・家訓は、立ち戻る場所として大企業にも中小零細企業にも必要なものなのです。

 

襟(えり)を正さなくていけないのは、シャープの旧経営者だけでなく、自分の襟かもしれません。

あらためて、偉大なる経営者・早川さんの足跡に敬意を払うとともに、時代の変革者として、社業の発展と、家訓ニストとしての活動を通じ、これからもシャープに世の中をえぐることを誓います<(`^´)>


 


 


老舗大国No.1

社訓にまつわるお話し

 

その⑧

「なぜ老舗が多いのか?

  

画像は、家訓二ストが経営する興醸社のたちあげの時の写真です。

昭和25年の創業で、前身の幡庄醤油店時代から数えると100年をこえる法人となります。

 

あなたの街にも創業100年をこえる会社はありませんか?

そして世界中で創業200年以上の老舗といわれる会社が多い国はどこか御存知ですか?

 

答えは、日本です

 

約3000社の老舗が今も全国で営業を続けています。2位のドイツが800社という数字をみれば桁違いに多い数です。ちなみにアメリカさんは14社。3000年の文明を誇る中国には3社しか存在してません。

 

では、なぜ日本にだけこれだけ多くの老舗が残ったのか? 新幹線での移動中に家訓ニストなりの答えをまとめました。老舗大国、日本の秘密をランキング方式で発表させていただきます。

 

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1位 「必要とされてきた」

 

企業がつづく・・・ということは、つぶれないということ。つぶれるということは、市場から必要とされなくなったというメッセージです。 老舗をつくる一番の要因は「必要とされてきた」と分析できます。

 

近江商人には、「三方よし」という家訓が伝わっています。

曰く、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という内容です。

 

お客様から、【必要とされる】ことはもちろん、世間からも【必要とされる】という精神が多くの老舗を日本に誕生させ、またそんな精神が経済大国、日本の発展、そして平和をも担ってきたものと家訓ニストは考えます。江戸時代の商慣では、なんと法人税、消費税をはじめとする、間接税の支払い義務はありませんでした! そのかわり、「公」をになうことを求められ、本来行政がになうべき公共事業を民間が受け持っていました。

多くの商人が集った大阪では、八百八橋といわれた橋、それぞれスポンサーとなる商人が架け替えやメンテナンスまで担当していたそうです。三方よしの精神の「世間よし」の精神は、日本が誇る財産なのではないでしょうか?

 

道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である(二宮尊徳 意訳)
 
「世の中に必要とされる」ために、努力を続けてきた多くの老舗企業は日本の財産です!
 
 

2位 「従業員は家族である」

 

アメリカで、リーマンショック後、経営危機に陥った大企業の経営者の姿が舞う姿が報道されました。救済をもとめる議会での公聴会の席にも自家用ジェットで現れ、「今すぐジェットを売り救済にあてるべきなのでは?」という指摘にも、不敵な笑いを浮かべるばかりで結局、身銭をきることはありませんでした。

 

グローバルスタンダードを押し付けるアメリカさんは、「身銭をきる」という発想はありません。法人と個人は別人格であり、あくまでそれは「契約」なのです。

そもそも、企業とは最小限の投資で、最高の利益をめざすもの。つまり儲からない会社を続けさせる利点は1つもありません。なので、長く商売をする前にさっさと店じまいをしてしまう・・・そんな点からも老舗が少ないことを指摘できます。

 

長い長い老舗の歴史。まちの和菓子屋さんから、竹中工務店、住友グループのような上場企業まで、共通項は、最初はどこも家族経営だった・・・という事実です。

いまや世界中に何十万人もの社員を抱えるトヨタグループも、始まりは、父ちゃん、母ちゃんで、始めた商いです。

創業者である豊田佐吉さんが遺した遺訓の中で、「家庭的に美風」を残すことを指示しています。事実、トヨタや、松下など昭和を代表する経営者は、戦争直後をはじめ経営危機をむかえた場面でも、絶対に従業員の整理をしませんでした。それは経営者と従業員という関係をこえた信頼であり、法人を「家族」としてとらえる「ジャパニーズスタンダード」なのです。

 

日本の中小企業のおっちゃんは、売上が下がると当たり前のように田畑屋敷をうり、生命保険をも解約してまで、従業員の給料を払い、あるいは取引先への支払いにあてます。

つまり、「グローバルスタンダード」の考えでは、企業とはあくなき利益をもとめるもの。しかし、「ジャパニーズスタンダード」は、「浪花節」。つまり、利益でなく、取引先、従業員さんとの「情」を大事していることがわかります。未曾有の景気減退で我慢しきれなかった会社さんも多かったのも事実ですが、赤字の時期を耐え、経済が上向くのをまつ「我慢」ができるのも老舗企業が多い理由なのではないでしょうか?

 

金にうるさく、こずるいおっちゃんもいますが、おしなべて日本の中小企業の社長は、えらいものなのです。

 

従業員を家族のように扱うからこそ、働く皆様も、安心して丁寧な仕事をする環境が生まれます。

丁寧につくるだけでなく、ひとりひとりの創意工夫が、「良い商品」として市場に受け入れられていきます。

結果、経営者も、従業員も、商品を手にするお客様、ひいては、世間全体が、幸せにつつまれる!のが、日本の商いです。

世界では、だまし、だまされるのが、商売の基本。だからこそ信用する相手を見極め、契約書をかわします。しかし、老舗企業の少なさをみるとその商いの方法では早かれ、遅かれ限界はくるようです。

 

3位 「軸がある」(社訓がある)

老舗企業の4割に家訓があり、口伝まで含めると8割の会社に伝えられてきた「教訓」があるそうです。

時代の中で得策をとっているつもりでも、長いスパンでみると失策であることはよくあります。たとえば、バブルの時代、多少無理しても、土地を買うことが勝ち組の必須条件でした。しかし、バブルは破たんしました。

そんな中でも、老舗といわれる住友、三菱といった財閥系の銀行はいち早く業績を回復させました。理由はグループのなかに立ち戻る依り代があったこと。つまり先祖代々つづく「家訓」がバブルの傷を最小限にとどめ、次の時代の飛躍をも担ったのではないでしょうか?

 

とくに住友家は、ロスチャイルドをこえる世界最古ともいわれる財閥です。その歴史は実に400年。

関ケ原の戦いが1600年ですから、天下をかけ戦国武将がチャンバラしている時にはすでに「商い」を開始していました(*_*) 逆にいうと400年分の教訓が、「住友」にはあるわけです。日本GDPの10%をになうとも言われる住友系の会社だけピックアップしても、老舗企業がつづけるあくなき挑戦の歴史が、そのまま日本の歴史となっていることを家訓ニストは断言します。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

教科書には決して乗らない日本の商いの歴史。

しかし、老舗企業の歴史を学ぶことで、たとえ生まれたての若い企業でも、未来の老舗になるために、「いま」しなくてはならないことが見えてきませんか!?

 

まずは、三方よしの精神。「売り手よし、買い手よし、世間よし。」

そして、従業員は家族である精神。

さいごに、絶対にぶれない軸。家訓、社訓をつくりましょう

 

老舗と言われる企業も、出発は、個人商店であり、また挑戦者(ベンチャー)でした。

それは、今まさに起業を考えるあなたと同じ立場であり、老舗も挑戦者も、日々新しきを習う、毎日の積み重ねなのです。

 

「いま」を大切し、明日のために今日何ができるか? 

凡事を徹底した1日が、1年になり、10年になり、そして100年と、積み重ねた時、「老舗」が誕生するのです。

 

ぜひ老舗企業の皆様は、その歴史を明日につなげ、そして、若い企業にお勤めの皆様は、御社が未来の老舗になるよう日々を紡いでいってください。

 

日本は、創業200年をこえる会社が3000社ある老舗大国です。

そして日本は、世界180か国の中、建国の歴史が最も古い国でもあります。

 

老舗の企業が、世の中に必要とされ、歴史を紡いできたように、日本も、世界に必要とされてきた尊い国であることを誇り、そしてこの歴史を、「あいさつをする」「ひとに迷惑をかけない」あるいは「靴をそろえる」。日本人が受け継いできた「凡事」を徹底していくことで、未来を創っていきましょう!

 

老舗をつくり、歴史をつむぐ「家訓づくり」・「社訓づくり」をあらためて開催依頼をおまちしています^^


 


 


 

老舗大国No.1

社訓にまつわるお話し

 

その⑨

「100年続く会社づくり

~社訓づくりの実践から~

  

 

 

 


 


2月に開催させていただいた 鹿嶋JCさま2月例会の際、受講いただいたメンバーのIさんが、社訓をつくって会社で実践しているとのお話をうかがいました。こんなに嬉しい話はありません。

 

家訓づくりは、一種のショー。

楽しく学んでも、そこで終わってしまえば、何の価値もないもの。このことを、中国の陽明学では知行合一と表現しました。つまり知って行わないことは、未だ知らないことと一緒である!っと、簡単にいうと、つべこべ言わずやれ!っということです。

 

ここで、実践いただいているIさんにむけ、当日触れられなかった社訓づくりのポイントを紹介させていただきます。

 

①目的と目標を明確にわけましょう

②実践しましょう

③つづけましょう

 

以上です^^

 

話をうかがった中では、②、③については問題ないようですので、ここでは①の解説をします。

 

今回、Iさんの作った社訓は、こんな感じです

第一条 あいさつをする

第二条 言葉づかいを丁寧に

第三条 整理整頓

 

どれも大事なことばかりですし、弊社でも出来ていない内容で立派な社訓です!

しかし、この3条は、行動目標であり、肝心の目的、つまり「○○のために」という部分がありません。これを補うものとして、社訓の調査で、家訓ニストが発見したたった三行の黄金則を紹介します

 

■家訓ニストのおススメ「社訓づくりの黄金則」

○○を通じて

××し

△△を目的します。

 

簡単でしょ^^

ここで、この黄金則を使った3つの会社の社訓を紹介させていただきます。

(※家訓ブログのセルフカバーです)

 

■タリーズコーヒー

一杯のコーヒーを通じて、「お客様」、「フェロー」、「社会」に新しい価値を創造し、共に成長する。

目的:世の中に新しい価値を創造する

目標:共に成長する

手段:一杯のコーヒーを通じて

 

解説:1997年に松田氏によって創業されたスペシャルコーヒーを扱うお店。同業であるスターバックスと比較し、企業理念の大切さを説明します

       タバコ   本    アイス

スタバ    ×    ×      ×

タリーズ   ○   絵本あり   好き

 

コーヒーの美味しさを伝えることが目的であれば、タバコの匂いは排除する対象です。しかし、タリーズでは、新しい価値を創造させることを目的としており、コミュニケーションのツールとして、タバコにも寛容です^^ 同じく絵本も、そしてアイスも!? 会話をはずませインスピレーションを誘うツールなのです。同じ?というか完全にパクリだと思っていたスタバに対してのタリーズの戦略には、案外深い違いがありました^^;

 

■トヨタグル―プ

人・社会・地球環境との調和を図り、モノづくりを通して持続可能な社会の実現を目指します

目的:持続可能な社会の実現

目標:ひと、社会、地球環境との調和をはかる

手段:ものづくりを通じて

 

解説:プリウスの成功は、まさに企業理念を具現化させたもの<(^´)>素晴らしいっ

  

■松下電器

産業人たるの本分に徹し社会生活の改善と向上を図り世界文化の進展に寄与せんことを期す

 

目的:世界文化の進展に寄与する

目標:社会生活の改善と向上

手段:産業人の本分に徹して

   

創業者の死後、事業が拡大したトヨタ。大工の息子が起業した会社が、自動車の販売台数世界一の会社になりました。そして松下電器は、幸之助の死後、企業ブランドの統一、リストラ、合理化、そして経営危機・・・

 

これは、創業者の理念を引き継いだトヨタに比べ、理念でなく、事業を引き継いでしまったパナソニックとの差ともいえます。社会生活の改善をめざした松下幸之助は、戦後すぐの危機の際も従業員の整理には手をつけませんでした、また講演会では、もしリストラを迫られたら?という質問に対し、給料を全額払い、そして頭をさげて、従業員から借金をする!とまで、言っています

 

幸之助の死後のリストラは、アメリカ流のグローバルほにゃららの視点では間違っていません。しかし、10年、100年のスパンでいえば、大失敗だったのは明白です。リストラのため、従業は委縮し、時おなじく隆盛していた韓国系の企業にヘッドハンティングにあい、培ってきた有形、無形の技術が流出し、結果、売上は、目も当てられないものになりました。

 

死せる孔明、仲達を走らす。死せる豊田佐吉が、今もグループをけん引するトヨタグループと、名実ともに偉大な創業者の心が消滅してしまった松下電器、社訓、理念の大切さがわかる一番の事例です。

 

 

会社の大小でなく、この問題は、父ちゃん母ちゃんがやってる工務店でも、起こりうるパラドックスなのではないでしょうか?

 

ちなみに、黄金則をつかった家訓ニストの会社の社訓(理念)は、以下のとおりです。

 

○○を通じて

××し

△△を目的します。

 

食の流通を通じ

お客様、メーカー様、社員全員が共に成長し

食卓に溢れる笑顔をきづくことを目的します

 

いかがでしょうか?手前味噌な社訓ですが、食卓に笑顔を届けることを目的にさせていただいています。しかし、食事だけは出来ない要素もあるのも事実・・・ なので、家訓づくりを推奨しているのです!

ちょっとこじつけっぽいですが、嘘から出た真実(まこと)という言葉のとおり、100回嘘をつけば、あなた自身も嘘にだまされ、いつしか真実になっていきます。身の丈のあった社訓よりも、ドデカイ嘘(目的)をつき、いつしか嘘が真実になるような、社業の発展を祈念しています。

 

あらためて、鹿嶋JCの井口さん、ありがとうございました!

 


 


 


老舗大国No.1

社訓にまつわるお話し

 

その⑩

「工事中

  

 

 

 


 


 


 


 


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