なぜ、日本の車が売れるのか? そこに全ての答えがある!

画像:初の国産車 トヨタのAA型1936年
画像:初の国産車 トヨタのAA型1936年

家訓のセミナーの中では、豊田佐吉さんの遺された家訓(綱領)を紹介してきました。

 

一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし

一、研究と創造に心を致し、常に時流運異先んずべし

一、華美を戒め、質実剛健たれ

一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし

一、神仏を崇拝し、報恩感謝の生活を為すべし

 

佐吉さんは、大工の息子という決して豊かとはいえない環境のなか、「発明で世の中の役に立ちたい」と志をたて、自動織機の発明し、以後、一族は、自動車製造にも挑戦し、今では販売台数世界一の企業グループになりました。ちょっと前まえチョンマゲを結っていた極東の島国が、織物で世界を驚かし、そして戦争にまけ国土は焼土とかしたのに、アレヨアレヨと、アメリカさんを超す自動車大国になってしまいました・・・

 

そして、この家訓を紹介した後、必ず皆様にお聞きする質問があります。

お題は、「なぜ日本の車が売れるのか?」

 

さて、皆様の答えは何でしょう?

これまでの回答例を紹介すると、「技術がしっかりしているから」、「サポートがいい」。あるいは、「思いやりを込めて作っているから」・・・たぶんすべてが正解です。

 

では、2つの目の質問です。

何故、技術がいいのか? サポートがいいのか? あるいは思いやりを込めて作ることができるのでしょう?

 

「んっ・・・」(-_-;)

 

っと過去の開催のなかでは、答えに苦しむ受講者が多かったようです。(^_^;) 

今回の家訓ブログでは、あらためて「なぜ日本の車が売れるのか?」を考察してみます。

 

当たり前のことは、当たりまえすぎて、気づかないもの。

たとえば、日本の豊かさは、貿易黒字によって担保されています。そしてその黒字を生み出す一番の稼ぎ頭が、「自動車産業」なのです。

 

しかし、皆様は不思議に感じないでしょうか?

日本には、石油も、鉄もありません。いわば世界中から材料をあつめて組み立てているだけなのです。これならマダガスカル島でもいいし、スリランカでもいい。なぜ、日本だけが材料を集めて組み立てることで、巨額の利益をえることができているのでしょう?

 

家訓ニストが考える答えは、日本には、石油も、鉄もないが、【日本人】がいる!のです。

日本の資源は、鉱物資源でなく、【ひと】なのです!

 

当たり前すぎて、気づかない日本人の特性をここで列挙してみます。

 

・まじめ

・時間をまもる

・協調性がある

・がまんつよい

・礼儀ただしい

 

こんな感じかな?では、上の項目はどうやって培ってきたのか?そこに家訓ニストの求める答えがあります。

その答えは、家庭内での教育。とくに躾(しつけ)から由来しているのではないでしょうか?

 

家訓づくりプログラムで作られる創作家訓では、「ヒトに迷惑をかけない」そんな家訓を選ばれる方が多くいました。

「ひとに迷惑をかけない」って、すごい道徳心だと思いませんか?

Aさんを、あるいはBさんに迷惑をかけない!のではなく、すれ違うだけのひと、あるいは一生、顔もあわせない第三者のために、気を配れるっというのが日本人の誇るべき道徳心なのです。

 

この恐るべき特性を活かすことで、日本で組み立てられる車は、他に類をみない最高品質の商品に仕上がっていきます。これは、自動車製造の際、1万をこえる部品の1つ1つが、「ひとに迷惑をかけない」部品であり、この真心をこめた部品が1万個たばねられて、1つの作品(自動車)として、組み立てられていると家訓二ストは考えます。

 

ここで、ネジをつくる下請さんがいたとして、どんな工程で製造されるのか?考察しながら考えていきましょう。

 

ネジ1つ、1個1円と仮定します。鉄をとかします。型にいれます。ネジの形にします。以上で終了です(*_*)

 

しかし、それで終わったのでは、ただのネジで終わりです。たかがネジ、されどネジ。日本の職人さんは、使う人のことを考え、形への工夫や使いやすさ、なにより頑丈さを研究しています。日本以外の国では、ネジはネジ。1円以上のコストをかけることは絶対にしません。しかし、日本では創意工夫こそが、美徳であり、ひとに迷惑をかけない”こだわり”が、ネジ1つ部品1つに詰まっているのです。

 

神は細部に宿る・・・八百万(やおよろず)の神々は、森や風、岩にだけいるのでなく、お米や、ネジ、ひいては、自動車にまでぎっしり詰まっています(^^ゞ

そして、世界の人々は日本の自動車の優秀さをしり、ちょっと高くても、日本車を買ってくださいます。

嘘のような話ですが、ちょっとした思いやりが製品になり、その製品を評価する世界中の消費者が、ちょっと高く購入してくださることで、日本の貿易黒字は増え、結果、今の生活を保障しているのです。

 

善意が軸となる社会って、すごいことだと思います。

ずるい人がはびこる世界は、悪いことをするのが得だから、だから犯罪がふえ負の連鎖がつづきます。しかし日本は、正の循環があります。お客様は神様です!の名のとおり、正直に商売をすること、あるいは、自動車のように真心をこめ製造することで、いい暮らしができるのです。つまり、いい人が勝つ社会。なので人々はいい暮らしをするために、より丁寧に、より親切に日々の生活をつむぐのです。

 

大げさだな・・・と思うあなた。

日本は、1万人あたりの殺人事件の発生件数がだんとつの1位の低さの国です。アメリカが1万人以上の銃による殺人がつづくなか、日本では13年度で、わずか8名。

事件が増えているとの錯覚は、繰り返される事件報道が増えただけのこと、つまり、事件が増えたのでは報道がふえただけの事です。

 

ひとに迷惑をかけない国、日本。肉食系ばかりの西欧列強の中では、ひ弱すぎて太刀打ちできないようにも思えます。しかし、結果は、人口1億人の島国が世界2位の経済大国です。なおかつ、治安はよく、医療は整い、平均寿命は1位を保っています。

日本、すごいっす。そしてそんな日本だからこそできるものづくりが評価され、世界中でメイド・イン・ジャパンがトップブランドとして君臨している事実は、誇るべき奇跡です。

 

そして、今では、戦争に勝ったはずのアメリカで、44%の車が日本のメーカーの車です。

もはや、日本車は、日本で作らなくても日本車なのです。つまり、メキシコの工場でメキシコ人が、つくった日本車が、アメリカ人が喜んで乗っているのです。もはや製造~販売まで日本人が立ち会わないことの方が多いでしょう。

 

つまり、日本車は、もはや日本人が作らなくて日本車なのです。

では世界の人は、そんな日本車をなぜ、買うのか? それは、日本で作らない日本車でも、クオリティーを保つため、工場で働く従業員さんに、勤勉さや、ものづくりへの探求心を、社員教育を通じて「伝えて」いるからなのです。日本は、自動車を売っているのではない、教育を通じ、「道徳」を売る国に進化していたのです。

 

トヨタグループの創始者 豊田佐吉も信奉した二宮尊徳先生は、こんな言葉を遺しています。

「道徳なき経済は、犯罪であり 経済なき道徳は寝言である」

 

 

日本の資源は、石油や鉄でなく、ひと。

そして、そんな【ひと】を育む教育が、日本を日本として足らしめています。

であるならば、日本をおびやかすものはテポドンではなく【教育】です。

とくに、家庭内での教育に一番の課題があるのではないでしょうか?

 

質問:なぜ日本の車が売れるのか? 

答え:それは、道徳心に満たされた、善良な市民がつくる車だから

 

質問:ではそんな市民をつくってきた源って、なんでしょう?

答え:口すっぱく怒るオカンのガミガミ。ちょっとかっこよくいうと、家訓です。

 

日本の車がなぜ売れるのか?当たり前のように感じることだからこそ、そこに大切なことがたくさん詰まっていました。この場合の日本、あるいは日本人とは、国籍も、民族も関係なく、ひたむきな努力と、ひとに迷惑をかけない素朴な「道徳心」を守る素敵な人たちと定義します。

争いの絶えないこのバカげた世界に、日本人の素朴なやさしさで満たされる時、真の世界平和が訪れることを家訓ニストは確信しています。そんな日本をつくるもの・・・それが家訓づくりプログラムです!

 

あらためて、日本人の誇りを育成し、世界平和を実現させる!セミナーの開催依頼をお待ちしています^^