コンクリートから人へ

水戸市の被災状況より
水戸市の被災状況より

震災から2年。忘れては、いけないことをブログに残します。

 

国が主導となり、10兆円、20兆円という浄財をあつめ、急ピッチで復興をすすめる事にぼくは、不信感を覚えます。

 

【コンクリートから人へ】

民主党は負けました、復興についても異論があるのも事実。でも、ひとを根本にすえたメッセージは新鮮だったし、その輝きは「今」こそ求められるものと信じます。

 

先日、弊社が申請した補助金の申請について、不採用という判断がでました。

限られた資金の中、優先順位があるのも事実。しかし、不採用に至った経緯、また申請の中での折衝で、この国が抱える矛盾と向き合うことになります。

まず、大前提として復興予算19兆円のうち10.5兆円が増税によって賄われます。もちろん、増税自体は国民全体にとって嫌な事ではありますが、復興の為ならと思っている方が多いのではないでしょうか?

▼3次補正9兆2000億円に対し各省庁から復興の為、様々な予算を要求。しかしその実態は・・
文化省「治安強化だ!」⇒国立競技場の補修費等に約3億3000万円
経産省「省エネ事業が必要だ!」⇒燃料電池車の研究開発費等に約15億円
法務省「復興人員確保だ!」⇒刑務所の職業訓練費等に約2800万円
農水省「対外治安強化だ!」⇒反捕鯨団体対策費等に約22億8400万円
沖縄県「今期は復興予算で」⇒通常の道路予算で行われてきた工事がなぜか復興予算で約5億円
外務省「海外とのキズナを深めよう!」⇒海外の若者を1万人招待する計画費等に約72億4700万円

更に、経産省に振り分けられた予算が1.2兆円なのだが、内3000億円が「波及効果枠」として3000億円が立地補助金等に使われるのだが、認可した501件中岩手・宮城・福島はなぜか30件しかない。それ以外は震災に関係ない場所で使われているという。例として仙台に営業所を置くコンタクトレンズメーカー岐阜工場へ設備投資などとして使われているそうです。

 

食品の原材料を扱う興醸社、被災直後はもちろん、被災地むけ、自衛隊へのレトルトカレーの製造など、コンタクトレンズより、「復興」に貢献している自信はあります。

同じく、被災をうけた中小企業の多くが、いまだ国からの支援もなく、全額自腹で、補修、修繕、そしてなにより、雇用という地域の最後の砦を守っているのです。

 

痩せ我慢はこの辺にして、ほんとに苦しい。そもそも売上減になっても東電の補償もないのに、電気代は値上げ、こんどは復興の増税にもなります(T_T)

 

・・・この国にひとがいますか?

あほのような書類の提出をもとめルールを淡々と守る官僚さん、そして被災地に必要のない防波堤、だれも通らない道路、はては被災地でさえない、目的もわからない、そんな「ごじゃっぺ」が、堂々とまかり通っていいんですか!?

 

弊社をふくめ、茨城県の事業所は、津波の被害はもちろん、地震の被害だけでは、福島県と変わらない被害をうけた被災県です。電気、ガス、水道がとまり、ライフラインが断絶。自宅は半壊、食事もままならず、さらに町内会のなかには、全壊の家も・・・

 

当たり前と思っていた社会資本が壊れたとき、とにかく助け合わないとままならない生活。でも、そこには「ひと」がいました。

 

当たり前の日常に感謝すること

 

いろいろなものを失って実にシンプルな結論に気付いたあの夜、見上げた夜空が綺麗だったことをぼくは忘れません。

 

ありきたりの生活を全力で応援する家訓づくりプログラム。

だれもすまない街をコンクリートで囲むより、道端にさくたんぽぽを感じる心をぼくは信じます。