「負けるな」「嘘をいうな」「弱い者をいじめるな」~郷中の言葉~

写真:西郷さん

友人U田君から、「郷中」いいよ!と連絡をいただきました。

いい機会なので、「郷中」をディープに掘り下げ江戸期の教育について考えてみます。

 

現代教育の画一的な要素は、尾崎豊でなくてもヘキヘキするものです。

江戸時代の日本には、日本の津々浦々に、個性豊かな教育の仕組みが存在していたことを皆様ご存知でしょうか?

 

文中登場する「郷中」は、薩摩の島津藩の教育システム。ここからは、西郷さん大久保利通らが輩出されました。

同じような仕組みは、南国から一気に北上し、会津若松でも「什」として存在しており、こちらは「ならぬものはならぬ」と、今も続く義に厚い会津人を生み出しています。(※詳しくは家訓ブログで)

 

長州では、吉田松陰が、個性をのばす教育をほどこし、歴代の総理大臣がザクザクうまれ、肥前(佐賀)では、恐ろしい程の詰め込み教育で、カラクリ田中?のちの東芝の創業者を輩出しています。そして、我が水戸藩でも、弘道館が建設され、幾多の俊才が誕生し、幡谷哲太郎のご先祖さんもここに学んでいたようです。

 

司馬遼太郎さんは、「龍馬は、土佐の風土が育て、西郷は、薩摩の風土でしか生まれなかった」と表現しています。

人間を育てるものは、全国どこに行っても個性がないコンクリートに囲まれた教室でなく、地方地方の海や、山や、風、であるべきです。

 

反対に風土を切り離し、金太郎飴のような人間を育てるバカバカしさ、そして全体主義に陥ったときの恐ろしさは、国を滅亡させる一番の近道でもあります。

 

点数で子供を図るとき、利するのは、点数で勝ち上がった一部のエリートさんのみ

そこには「人間」が見えません。

 

反対に「人間」をみたとき、点数で子供をみないとき、そのカリキュラムには、花をめでる心、歌を愛する心、友達を助ける心、そして道徳心が必ず中央にあることでしょう。

 

国語、算数、理科、道徳?こんなおかしな話はなく、まず「道」があり、そこに徳があるから、知識をえる必要が生まれるのです。

 

ちょっと器用な子が、テストの点数だけを積み上げ、いつの間にかエリートさんになって日本の行く末を握るなんてホラーでしかありません。

人間に立ち返る教育の在り方がまさに今、もとめられています。

 

人間とはなんぞや? 

大人むけには「家訓プログラム」そして子供むけには、「偉人伝」(ドリカムキッズ) をご用意しております。

人間を学ぶプロジェクトに今後も、強い強い、ご支持をお待ちしています!

 

 

↓ 「郷中」(Wikipedia参照)

島津忠良が完成させた47首の「日新公いろは歌」や、新納忠元の作成した以下の「二才咄格式定目」を教育の根幹とした。

一.第一武道を嗜むべき事

一.兼ねて士の格式油断なく穿儀致すべき事

一.万一用事に付きて咄外の人に参会致し候はゞ用事相済み次第早速罷帰り長座致す間敷事

一.咄相中何色によらず、入魂に申合わせ候儀肝要たるべき事

一.朋党中無作法の過言互いに申し懸けず専ら古風を守るべき事

一.咄相中誰人にても他所に差越候節その場に於て相分かち難き儀到来致し候節は、幾度も相中得と穿儀致し越度之無き様相働くべき事

一.第一は虚言など申さざる儀士道の本意に候条、専らその旨を相守るべき事

一.忠孝之道大形之無き様相心懸くべく候 然しながら逃れざる儀到来候節は其場おくれを取らざる様相働くべき事武士の本意たるべき事

一.山坂の達者は心懸くべき事

一.二才と申す者は、落鬢を斬り、大りはをとり候事にては之無き候 諸事武辺を心懸け心底忠孝之道に背かざる事第一の二才と申す物にて候 此儀は咄外の人絶えて知らざる事にて候

右条々堅固に相守るべし もしこの旨に相背き候はゞ二才と言ふべからず 軍神摩利支天八幡大菩薩 武運の冥加尽き果つべき儀疑なき者也

(略訳)

  • 武道が第一である。
  • 武士道の本義を油断なく実践せよ
  • 用事で咄(グループ)外の集まりに出ても、用が済めば早く帰れ、長居するな
  • 何事も、グループ内でよく相談の上処理することが肝要である
  • 仲間に無作法など申しかけず、古風を守れ
  • グループの誰であっても、他所に行って判らぬ点が出た場合には仲間とよく話し合い、落ち度の無いようにすべきである
  • 嘘を言わない事は士道の本意である、その旨をよく守るべし
  • 忠孝の道は大仰にするものではない。その旨心がけるべきであるが、必要なときには後れを取らぬことが武士の本質である
  • 山坂を歩いて体を鍛えよ
  • 髪型や、外見に凝ったりすることが二才(薩摩の若者)なのではない。万事に質実剛健、忠孝の道に背かないことが二才の第一である。この事は部外者には判らぬものである

これらはすべて厳重に守らなくてはならない。背けば二才と呼ぶ資格はなく、軍神にかけ、武運尽き果てることは疑いがない。

 

 

簡単に言うと

「負けるな」「嘘をいうな」「弱い者をいじめるな」だそうです。

うん、人間、それだけできれば、偉人です!

 

 

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コメント: 1
  • #1

    sek stel (金曜日, 03 11月 2017 20:04)

    ulęgniemy